1.《ネタバレ》 原作は未読ですが、我が国の古今の探偵小説の中でも傑出した一作とのコトで、その事件ものとしてのクオリティ(殊に推理の取っ掛かりとなる例の「心理の足跡」というヤツ)については流石に決して悪くないモノに見えましたし、ソコの際立たせ方・あるいはオーラスの種明かし自体もソコまで悪くもなくまずまず明解でもあったか…とは思うのですね。でも、如何せんやはり映像化には向かない作品とゆーか、少なくとも映画としてはやっぱ到底表現不可能なレベルで登場人物が多すぎますよね(だから、やるとしたらある部分はオミットしていかないとどーにもならん…てなヤツかと)。個人的なハナシとしても、そもそも最近事件ものの映画自体があまり面白く観れない…とゆーか、ただ殺される為だけに用意された人物・状況設定とゆーのがどーにも浅い・軽いと思えてしまって…とゆーか、その意味では今作はその極致でもあったかな…とまた思います。正直、種明かしだけ観れば(=オチだけ教えてくれれば)あとは誰がどーなろーがどーでもイイや…という感じに途中から為ってしまいましたですね。多分、小説の方を先に読んだ方が好かったヤツかと思います(なので心置きなく1点引かせて頂きました)。
原作も読まずに何故に今作を観たかとゆーと監督が曾根中生だからなのですが、ロマンポルノからも結構大勢女優さんが連れて来られてましたね(宮下順子だの梓ようこだの岡本麗だの、大体が多門の妾だからある意味適切だとも思いますが)。結局一番目立つ役柄だったのが絵沢萠子だってのにも少し笑ってしまいましたが、中で私の好きな泉じゅんが1シーンだけ大きく可愛く映ってたのはチョイ嬉しかったですね。