1.1965年制作ということで東映時代劇の衰退期。何とかしようと言う気持ちからか、酒の中から回想シーンが始まるなど奇抜な演出が所々盛り込まれている。それでも時代劇のお決まりを打ち破ることは全くなく、良く言えば定番、悪く言えばマンネリの展開が繰り広げられていく。一番印象に残るのは悪役を演じる近衛十四郎さん。柳生十兵衛という超正当派ヒーローの印象が強いが、黒い格好の悪役も様になっている。何と言うか、本当にダーク。もしかしたらこっちの方が似合っている、なんて可能性も。殺陣は間違いなく日本時代劇史上最高レベル、乗馬も華麗にこなしていく。他の大スターに比べればあまり有名ではないが、自分の中では最も好きな時代劇俳優。・・・なんだけど、この映画はラストの殺陣がしょぼすぎる。ストーリーなんてどうでもいいんだから最後はしっかり締めてもらわないと。『リーサル・ウェポン4』みたいな後味である。ってどうせずっとレビュー数一人なんだろうなぁ。