11.《ネタバレ》 最新作が公開される関係で、期待値ゼロでやむを得ず鑑賞。
どんなに酷い作品が待っているのかと思ったら、意外と普通に見られるレベルといえるかもしれない(もっとも高い評価はできないが)。
クルマについては詳しくないので、アクションの凄さのレベルがよく分からないが、ボケッと眺めていればそれなりに飽きずに楽しむことができた。
ラストのレースも意外ときちんと仕上がっているのではないか。
ヘンテコな日本・東京が描かれるのは、突っ込む方が野暮といえるかもしれない。
カーアクション作品や犯罪モノなので、必ずしもリアルな東京を描かれる必要はない。
むしろ、「ウワバキ」などの謎のやり取りや「学ラン姿のアメリカ人」を楽しむことができるので、ヘンテコさが一つの売りともいえるのではないか。
リアルで精緻な東京が描かれたら、それはそれで面白みが減ると思われる。
ストーリーは「トップガン」や「ベストキッド」の流れを汲むような“基本”に忠実となっている。
『友情や恋愛を絡ませながら、友人の死や挫折を経験して、それを乗り越えてライバルを倒す』という王道路線が描かれている。
しかし、友情、恋愛、挫折の乗り越え方もいずれも中途半端という印象。
メインがカーアクションとはいえ、もうちょっと工夫しないと良作にはなりようもない。
“GAIJIN”も有名なので単語だけ使ってみましたというレベル。
あまりこれに関わりすぎると、メインが疎(おろそ)かになるので、バランスが難しいが、やはり何か物足りない仕上りだ。
外人としての孤独や疎外感を描きながら、“クルマ”を通しての外人と日本人との交流・融合といった視点を付加してみると、もっと評価できる作品に仕上がったように思われる。
これでは、あえて東京を舞台にする必要があったのかいうほどのレベルだ。
鑑賞前は北川景子がそれなりに重い役柄を演じているとずっと思っていたが、まさかここまで空気だったとは思わなかった。
これも収穫といえば収穫だろうか。