12.《ネタバレ》 思ったんですがね。
「テロに屈するな!」とか言う正義大好きなアメリカ人って、底抜けに楽観主義なんだろうか、と。自分がテロで死ぬ多数の犠牲者の名もなき一員になる事なんて、あまり考えないんだろうか。
「俺は強い!」みたいな幼児的万能感をずっと持ち続けてるのか。都合の悪い事を考えるのを拒否しているのか。見ないふり、聞かないふり。否認。あと、自分に都合よく事実を変えて思い込んだりしたりね。
それはさておき、スペインぽい映画ですね。良作です。
でも、主役の勤務している会社が賠償金の支払いから逃れるため、主役が生きているうちに社則違反の言質をとろうとしたりする場面は、アメリカぽさを出そうとしたのかもしれないけど、ちょっとあざと過ぎて白けちゃいましたが。
他はよかったし、面白くはあったのですが…鑑賞後、妙に消化不良な気分になりました。
それは、リアルなようで全くリアルではなく(テロリストは生き埋めにしたトラック運転手とあんな取引はしない)、なのにストーリーは徹底して非情で救いがない、というのがどうもバランスが悪かった。
そもそも設定がリアルでないのだから、バッドエンドにする必要はなかったのでは…。
まあ、あれで助かったらさらにリアルから遠ざかるので、仕方がないと言えば言えますが。
助かるのか否か、ラストが絶対に気になる映画です。面白かったけど、2度は観ないな。