1.《ネタバレ》 作品の骨格が酷似しているという意味で、どうしても「トトロ」と並べて見てしまいます。病身の母への不安に耐えるサツキの気丈な痩せ我慢が決壊した時、妖怪たちが野太い愛情で助け船を出してくれるのが「トトロ」。対して、意固地にも見える内向的な性格のももが、困ったときに「助けて欲しい」と天国の父にすがり、その使命を負った妖怪たちが奮闘するのが本作です。不安を抱える主人公と不満を抱える主人公の落差、友情から手助けする妖怪と使命で手助けする妖怪の落差。その違いがそのまま見応えの差だったと思います。脚本・演出的にも、すべてを台詞にする丁寧さが面白味を削っていました。開通していない橋の上で天に向かって父に助けを求めてももが叫ぶシーン、ちょっとゲンナリしました。優香には感心。上手でした。西田敏行は良くも悪くもキャラがハッキリし過ぎていて、イワが西田敏行に見えましたね。 瀬戸内の小島と叔父夫婦の家屋表現はノスタルジックな魅力に溢れ、とても良かったです。