1.《ネタバレ》 活劇という見せ方をしている本作ではやはり160分という時間は長いと思います。
名古屋城への殴り込みの前で潔く終わりを迎える脚本に仕上げて貰ったほうがすっきりした作品になっていたと思いますが、兄の蔵之助が仁左衛門の身代わりになった後の話の展開も面白いので捨て難いのは理解できます。
しかし、その場合は上記したように全編ガチャガチャした活劇だと疲れてしまうので幾分トーンダウンさせて落ち着いた時代劇にして貰わないと正直見ていて辛いです。
原作の印象を思い出してもどちらにでも出来ると思いますので、私的には落ち着いたものにして欲しかったです。
役者さん達は右を見ても左を見ても濃い人ばかりで濃すぎる演技を見せてくれます。
個性派と呼ばれている川谷拓三さんや成田三樹夫さんがひとつの画面に表れるだけで得した気分になります。
また、9代目松本幸四郎さん、加藤剛さん、高松英郎さんはどの作品を見ても清廉性のある大勢側に居る気がします。
池波正太郎さんの原作という事でしたら2~3つだけでも美味しそうな料理を食べるシーンがあっても良かったかと思いました。