1.《ネタバレ》 ベニシアさんといえば、NHKで「猫のしっぽカエルの手」としてよく放送されていたので知っている人も多いはず。いつもの山崎氏の語りが、この映画ではまったくないので違和感がある。
ふだんの番組では、あまり家族のことやベニシアの過去に立ち入らないので、そういったことに興味がある人にはおすすめ。ガーデニングやハーブのことを詳しく知りたいという人には向いておらず、結局シリーズ人気の延長で作った映画であろう。
後半あたりから、妙に重い話が続く。(ここからネタバレ)娘の重い病気や、夫との離婚や浮気など、これでもかというぐらいのエピソードが続く。興味深いのは、ベニシアがこれらに対して解決を望んでずっと祈っていたというくだり。僭越ながら、おそらく彼女はこれらの問題が自分がまいた種で起きたことをはっきりと認識していないんじゃないだろうか。彼女が飛躍し心の成長を遂げるチャンスはいくらでもあったというのに、だ。彼女のポジティブ思考は、ときには罠となる。後味が悪い映画だった。
ただ編集や映像のクオリティは、さすがNHK。