4.《ネタバレ》 ~The Bible: in the Beginning ...~聖書。初めに・・・。邦題も悪くないけど、あまりにカッコイイ原題。
世界一のベストセラー『旧約聖書』の、創世記の、だいたい半分くらいまでを映像化した物語。面白いとか面白くないとかでなく、聖書という物語を、あの当時の最新鋭技術と壮大なスケールで映像化して、後世に残そうという意図があったと思われる。
原作を忠実に再現するのが目的と思われるので、新しい解釈や流行の取り入れ、オーバーリアクションなどは極力避けて、ベッタベタな内容に仕上がっていると思う。
アダムとイヴ。いかにもな美男美女を用意したものだ。リンゴを噛じる効果音がないのが良いと思う。多分あのリンゴとは、フジとか王林とか私たちが知っている林檎ではなく、神の作った神聖な実だと思う。ので、私たちの知るリンゴを噛じる音はしないんだと思った。
効果音と言えば、戦闘の剣が当たる音『カキーン』とか『ズバーッ』とか、大げさな効果音がないのも、当時なりのリアリティを追求した結果だと思う。
ノアの方舟の象やトラ、ラクダはともかく、キリンやシマウマ、陸亀はスタッフの遊び心だと思う。旧約聖書の時代に発見されていたのかなぁ?でも方舟のスケールと内部の賑やかさは面白かった。肉食獣の食料の謎。一応、説得力のある回答。
ソドムとゴモラ。アブラハムの『正しく生きるものが50人なら?45人なら?20人なら?』は、神の使いに対し謙虚ながら自分の気持を伝えていて、良いなぁ。
ロトが“処女の娘二人を差し出すから客人には手を出すな”は、価値観が違いすぎる。こんなお父さんイヤだ。振り向いてしまったお母さん怖い。何になったかと思ったら、塩の塊にされたんだ。「振り向いたら塩にするよ」って、先に言ってあげようよ。
もちろん息子を生贄に捧げるお父さんもイヤだ。アブラハムとイサクがソドムに立ち寄るんだけど、イサクが言う「子どもたちも悪いことを?」ここはスタッフの創作かどうか?なんか原爆や絨毯爆撃の跡地みたいな破壊されようで、反戦メッセージっぽく見えた。当時あそこまで徹底的に街を破壊する火力があったのって、たぶんアメリカとソ連くらいなんだよね。神の力に匹敵する火力。
イサクの件に限らず物語全体として言えるけど、神様厳しすぎる。
旧約聖書はイスラムの歴史でもある一方、登場人物にスポットを当てた物語なんだから、主人公にはいろんな困難があってこそだけど、なぜ神様が人間にそこまでさせるのか、わからない。…暇つぶしなのかなぁ?