6.瀬戸内の孤島刑部島で起こった連続殺人事件に鹿賀丈史扮する金田一耕助が挑む。
一連の金田一作品(へいちゃんバージョン)と配役を変えて
鹿賀丈史を起用した辺りは胡散臭さでは似ているが好き嫌いの別れるところ。
個人的には【八つ墓村(1977)】渥美清よりはイケてると思う。
一種の時代背景を表現する方法としてビートルズの楽曲を挿入歌としている。
「ゲット・バック」で始まり「レット・イット・ビー」で
締め括る辺りはなかなかのセンス。
「現代人の失っているもの。それは静かで激しい拒絶だ。」
この劇中の吉太郎のブログとも思しき言葉には強烈に心を動かされるものがあった。
ヒッピー紛いの好青年を演じた故古尾谷雅人の回想形式を手法としているが
ラストまで居ない筈なのに回顧できるのは些か矛盾がある。
一番の驚きは岩下志麻の○○○ーシーン。
いくら演技とはいえここまでやるか・・・っていうかこの演技をやらせた
張本人の旦那でもあり監督の篠田正浩の勇気には脱帽する。
市川崑作品とはまた違った雰囲気が随所に顕れ
金田一シリーズの列に並ぶ事に特段の異議は上げられない作品であると思う。
邦画ミステリーの金字塔的作品として一度は目にして頂く事をお勧めする。