3.《ネタバレ》 80年代のゴダール作品なんて面白くないだろうと思って全く期待しないで観てみたら、やはり予想通り面白くなかったです。
冒頭の空撮の場面で電話の音が鳴っていたりする大胆な音の使い方に先制パンチを喰らい、相変わらず斬新さを追い求めているんだなぁと、ゴダールの映画に対する情熱や意欲に感心したものの、終始に渡ってどうにも面白いようには思えては来ませんでした。
ナレーションを多用したり、黒画面に文字を出してカットを切り替えたり、フレームイン&アウトで見せるワンシーンなど、ゴダールが初期の頃からやっている手法がこの映画でも出てきたりと、良くも悪くもらしさは出ていたので、そこは良かったと思います。
特に印象に残ったのは、飛行機の中で馬鹿やってたり、ダンスをしていた女が裸になったり(男の願望か?)、レコーディングのシーンが何の進展もないまま延々と流れていたりといったシーンなのですが、見ていてワクワクしたり、驚きがあったりするシーンはトータルで考えてもやはり少なく、これは感覚の相性のようなものかもしれませんが、楽しむ事が出来なかったというのは間違いなさそうです。
また、80年代の映画は、その当時の曲がバックに流れている事がよくあり、それがかえって古さを感じさせる要因の一つになっているような気がして、やはり肌に合わないと再確認させられた映画でした。