12.《ネタバレ》 (2006年 テレビ録画視聴時のレビュー)
タイトルから、「ブルーハーツ」「バンド」「青春」といったキーワードを連想してしまいますが、実際そのまんまの作品でした。
90年代に青春時代を送った私にとっては、ブルーハーツの音楽は思い出とガッチリ結びついています。なかでもやっぱり「リンダリンダ」は特別で、あのシャウトを耳にすると、つい体がウズいてしまう。
1976年生まれ、私と同世代の山下敦弘監督がその感覚を共有しているのだろうことは容易に察しがつきます。
一方で、この作品の主人公たる現代の女子高生たちはどうなのか。「リンダリンダ」で血が騒ぐのか。
その点ちょっと疑問を感じてたのだけど、実際「リンダリンダ」は今の高校生たちのなかでも生きているらしいですね。
現代の「軽音楽部」の女子高生たちが「文化祭」のライブで「ブルーハーツ」を演奏する、という設定が、なんだか新鮮なような懐かしいような、不思議な感覚でした。
一生懸命彼女たちがリンダリンダを練習しているのは、ほほえましいもんでした。
でも、やっぱり少々違和感も。
いったい、このヌルさは何なんだ。この気持ち悪さは何なんだ・・・という思いがずっとアタマを離れませんでした。
それは、ボーカリストとして韓国人留学生を持ってくるところにあざとさを感じたせいかもしれません。
リーダー格の恵の、短気でありながら優しさを併せ持つというキャラ設定(あるいは演技)にウソ臭さがプンプン漂っていたせいかもしれません。
他にもいろいろと突っ込みどころが満載で、ノリきれない映画でしたが、そもそも30代の既婚の男が観て感情移入できるほうがおかしいのかもしれませんね。
ま、創っているのは同じ世代の男なんですけど・・・。