5.ジョージ・クルーニーとゾダーバーグの40年代のハリウッド映画への強い思いはわかった。
「第3の男」+「カサブランカ」であることは、シネレヴュ住人ならすぐにわかると思います。
ケイト・ブランシェットの演技力もあってそこそこ「大人の恋愛モノ」としては体裁ができているのだけど、正直、40年代ハリウッドオタクが作った懐古モノであることは否めない。
本来の40年代の作品と比較して、ライティングなどの技術が稚拙で、俳優の顔に余計な影が出てしまっています。
女優の顔をドーンと美しく撮影する技術がなく、ケイトブランシェットがちょっとかわいそうにも思えました。
デードリッヒやガルボに代表される「芸術顔の撮影」はあの時代の「無形文化財」だったんだなと知りました。
「アビエイター」でキャサリン・ヘップバーンを演じたケイト・ブランシェットをジョージ・クルーニー版「カサブランカ」(K・ケップバーンはハンフリー・ボガードの奥さん)に出すのも余裕のある「大人の遊び」なのかな?