1.《ネタバレ》 これほど内容の薄い90分映画を観たのは久しぶりな気がする。
それだけ内容がない。
犯人の足跡をただ辿っただけの映像に、時折、思い出した様に入ってくるナレーション。
この組み合わせで90分をやってのける。
こんなのやってのけられたら、観ているこちらはたまったもんじゃない。
だがしかーし、退屈な内容とは裏腹に、1960年代後半の街風景をも映し出した本作は、これ以上なく私を刺激した。
戦後間もない雰囲気とも異なり、又、1970年代以降の高度成長しきった雰囲気とも異なる、私が観たことのない東京の街風景がそこにあった。
内容は全くもってボツだが、常に変化する東京という街の、瞬間的な街風景を世に残したという観点において、非常に価値のある1本であろう。