1.《ネタバレ》 原作はちゃんと読んだわけではありませんが、ある程度内容を知ってました。それでちょっと、期待しすぎたのかもしれない。非常に努力の感じられる脚本で、さまざまなエピソードの寄せ集めである原作を一本の映画にまとめたのは評価できる。温かい視点にも好感が持てました。しかし……。
元心理分析官で保険調査員というところまでは文句なしに秀逸な設定だけど、素人カメラマンの視点というのはさすがに詰め込みすぎなのでは? やりたいことはわかるんだけど、いろんなアイディアを使ったせいでごちゃごちゃしてるというか。コメディに突っ込みたくはないが、あまりにぎこちない展開も目に付いた。
ちゃんと笑えるのは確かで、クオリティも高く、手抜きが感じられない。とりわけ役者がよかったと思う。もっともよくできていたのはロケットエンジンで吹っ飛ぶ男のエピソードで、単に笑えるだけでなく、じんときた。短い登場ながらジュリエット・ルイスの演技が印象深い。メタリカの出演にはびっくり。
ただ、最後のシリアルキラーとの対決がそれまでに比べて面白くないというか、そもそもあんまりテーマに沿っておらず、ちぐはぐに感じた。主人公が〝バロウズ〟で事件にもビートニク文学が絡んでいるのは、作り手の趣味だろうか。尺が短いのだから、本編であるダーウィン賞のエピソードをもう一つくらい付け足してもよかったと思う。