1.《ネタバレ》 ある女性がある男を好きになったが、その愛は実らず、片思い。
その片思いは次第にエスカレートしていき、ついには悲恋の道を辿る・・・
およそ、こんな内容だが、どうにも猟奇的で恐ろしい。
しかし、恐ろしいのに、同時に清々しさまで感じてしまうという内容で、最後まで目が離せなかった。
女性特有の一途な愛の形というか、男の私には理解しきれない凄みがあった。
これは女性向けの映画だろうと個人的には思うが、「女性とはこんな生き物なのか?」という観点において、男が観ても別の意味で楽しめるかもしれない。
だけど、自分がこの男の立場に置かれたらどうだろうか?
とてもじゃないが、生きた心地がしないだろうし、迷惑極まりない。
一方通行な愛は、単なるエゴで愛の強要である。
腑に落ちないのは、ラストで男が女の持つ店に車で駆けつけるところ。
いくら自分のことを誰よりも愛してくれる女性の存在に気づかされたとしても、こんなストーカー行為をされた男が、果たしてこの女に歩み寄るだろうか?
いや、男は決して歩み寄らない。
それどころか、ますます逃げることだろう。
少なくとも私ならそうだ。
そういった点においても、男の特性を無視した内容で、とことん女性の為の映画だなぁ、と一種の感心に近い気持ちにさせられた。
猟奇的なまでの女性の片思いを徹底的に描ききったという意味において、極めてシンプルな内容の恋愛映画だ。