1.《ネタバレ》 この作品から伝わってくることは主に「オレ(デパルマさん)は怒っているんだぞ!」ということではないでしょうか。
…怒っている場合でも、作品として提供するとなると、そこには「オレの怒り」以外のものが注入されてエンタテインメントとして完成されていなければ、非常に痛いことになってしまうなあというのが「リダクテッド」ではないかと。
オレの怒り、それをモロに出しすぎ。
なんというか、作品としての「深み」に欠けるように私は思いました。
他人の怒りをそのまま見せられると、なんとも言いようがありません。
「そうですかあ…あなたはそんなにお怒りになっているんですね」終わり。
デパルマさんは、映画がエンタテインメントでなければならないことをちゃんと知っていますけれども、今回はそういうものは無視しました。
私はやはり映画として不特定多数の人に提供するのであれば、オレの怒りはもう少し抑えてもらいたかったと思います。
また、呼ばれもしないのによその国へ武装して乗り込んで強姦殺人をするということについて、「あの状況では仕方がなかった」とか「レイプについてはなんとも思わない」とか「殺したことだけが悪い」とかいうふうな感想を抱いてしまう一部の男性観客もいるようですから、そこまで作り手の狙いを外したおかしな感想を抱かせるということは内容に問題があるのであり、作品の作り方にももう少し工夫が必要ではないかと思います。