14.《ネタバレ》 ~The Man Who Knew Too Much~(余計なことを)知りすぎた男。
邦題だと“聞いた以上のことを以前から知っていた”風にも取れるかも?
30年くらい前、日曜洋画劇場で見て、すごく楽しかった記憶がある。
今回久しぶりの鑑賞だけど、あらら?名作だったって記憶に比べて、思ったよりシンプルと言うか、あっさりテイストというか。
これ旦那さんが悪いわ。ベルナールにべらべら素性を喋るベン。それをじっと聞いて牽制のジャブを入れるジョー。ベルナールと別れてから旦那にダメ出し。旦那の面目を潰さない出来た奥さんだ。
ドレイトン夫妻に警戒心を抱くジョー。ちょっと疑り深い気もするが、結果論として相手は誘拐犯。何も感じない鈍いベン。
レストランでベルナールを見つけて、ジョーに指摘されて火がつくベン。それほど怒ってなかったのに、ジョーへの当て付けのように怒り出すし…
最初ベルナールのメッセージをジョーに教えなかったり、ハンク誘拐を説明する前に薬を飲ませたり、ベンはジョーをパートナーと言うよりお荷物に思っているようだ。
ロンドンの警察に誘拐の話をしても暗殺の話はしない。アンブローズ・チャペルに単身乗り込む、しかも勘違い。チャペルでも策もなしに姿を見せて捕まるし…冴えているのはジョーの方で、ベンが余計なコトして事件を複雑にしている気がしてならない。
この当時だから、女は男を立てる存在。って感じだろうか。今リメイクしたらジョーとベンの立場がガラッと変わってそう。
ベルナールの黒塗りメイクが指の形に落ちるところ、ドレイトン氏が電話中、不安で電話帳をいじる手などは、画で見せて意味や感情を説明する名場面。女性のベール取っちゃいけないとか、食事の時左手は使っちゃいけないとか、異国モロッコの習慣を今でも覚えてる。映画は勉強になるなぁ。
当時は淀川長治氏の解説で、ケ・セラ・セラの歌とか、劇中のシンバルとか名画の楽しみ方を教えてもらって、それを確認して楽しんでいたのもあったかも?記憶の中ではヒッチコックの作品の中でも、かなり上位の名作だったと思っていたので…
追記)知りすぎていた男とは、主人公ベンではなく、殺されたベルナールの事を指しているのだとしたら、ちょっと納得出来ました。