1.《ネタバレ》 あたしの個人的な感想としては「まだ、その域に達していない」かな。
(分かる人だけ笑ってくだされば結構です)
ヤマカンのやりたいことを理解している訳ではないけど、彼自身が「”アイドル映画”として作った訳では無い」というのであれば、そうなんでしょう。でも、完全にそう見えてしまうんだよね。その時点で内容の如何に関わらず、監督の作為が伝えられていないのだから、それは失敗だよね。公の場でそれだけキチンと発言をするのだから、そうした意思を映画で見せることが出来ないという時点であたしは評価を下げました。内容的には面白いと思いますよ。一人称で高いテンションでの独白と、如何にも”低予算で作りましたよ”感たっぷりの荒さの残る映像やフレームワークは、非常にあたしの好みでもありますから。でもね、本人は意識していないかもしれないけど、大林宣彦、相米慎二とかいった監督のアイドルを起用した映画のオマージュとも取れるようなカットが随所に出てきて、自分の映画として昇華されてればまだしも、そうなっているとは思えない部分が多いんです。多分、その結果が”アイドル映画”に見られるという事なんだと思うんだよね。
役者に関してもみんな良くやっていると思いますが、金田の演出はあれで良かったのかなぁ?とちょっとだけ疑問でした。先輩の気持ち悪さを表現するのに、金田の芸人としての動きをそのまま使うって言うのは、演出として完全に敗北宣言してるって事じゃないかな?あの動きをしている事で、金田のファンは満足かもしれないけど、あたしはそういう動きは芸だけにして欲しかったですね。
ヤマカン自身は乗り気ではなかったらしいけど、エンディングの出来が一番良かったんじゃないかな?「鈴宮ハルヒの憂鬱」のエンディング、「らき☆すた」のオープニング、「かんなぎ」のオープニングと、ちゃんとここだけが演出として成立してる気がするんだよね。
まぁ、このエンディングが一番評価されるって所が、この映画の評価なんじゃないかな。