3.《ネタバレ》 かつて日曜洋画劇場に一番ハマってた中高生の頃に放送されてたのを懐かしく思い出しますが、あくまで個人的な思い出であって、映画そのものに特に惹かれた訳でもないんですけどね。どっちかというと変な映画、なもんで、印象には残ってます。本作のせいで「だからハリソン・フォードにラブロマンスは似合わないんだ」みたいなことを言われちゃうのですけれども、いえいえ、ハリソン・フォードは必ずしも悪くないと思います、武骨で不器用、それ故の一途さと哀感は、しっかり感じさせてくれました。それを言うならむしろ「ピーター・ハイアムズにラブロマンスを撮らせるな」でしょう。脚本もハイアムズで、この脚本がまず変。第2次大戦下、米軍のハロラン中尉がと街角で出会った女性と唐突に恋に落ちる、まーこれが本当に唐突過ぎ。我々はまったくついていけません。しかし彼女は人妻、禁断の恋。しかも映画後半で、ハロランは偶然にも彼女の夫(演じるはクリストファー・プラマー、確かにH・フォードとは対照的)の特殊任務をサポートする事になり、2人でドイツ軍内部へと潜入。この夫ってのが頭でっかち実務サッパリのダメ親父、ハロランの助け無しでは任務遂行などとても無理。当然、ハロランは彼を助けるか、あるいはこの機会に亡き者として妻を奪うか、苦悩することに……ならないんだ、これが(笑)。ここからはアッケラカンと普通にアクション映画になってしまう。彼が愛する女性の夫である事実をハロランが知るのも完全に後回し。クライマックスの橋のシーンは、一応、ハロランがその苦渋の決断を迫られる見せ場になっているのだけど、どうやら、クリプラ演じる夫が再三、意外に謙虚な発言をしていたので、すでに「こいつはいい奴だ」との結論に至っていたらしい。ふたりの間に芽生えた友情などこれっぽっちも描いていないのに? こういう安直さが、どうにもイタダケナイなあ、と。ついでに言うと、どうして橋の下にあるのは「川」じゃなくって「泥」なんだろうか、見映えしないなあ。とさらにダメ押しのケチをつけてしまうのでした。そうそう、あと、娘の役でパッツィ・ケンジットが出てたのが、今回観た意外な発見でした。