8.《ネタバレ》 -Marathon Man-そのものズバリだろうか?“マラソンをする男”“長時間に渡る…男”。数年前にエルトン・ジョンの-Rocket Man-が流行ったから、なんかそれっぽい雰囲気のタイトルにしたのかもしれない。
マラソンして、大学の講義聞いて、恋をしてのベーブの日常生活。一方でドクの暗殺未遂。路上の事故など、序盤からどう結びつければよいのか方向性がわからない展開が続く。ドクが殺されてからの展開、ベーブが誘拐されるシークエンスが怖い。風呂場の蝶番がミシミシ壊され、大声で助けを呼んでも止めない相手に、どう対処したら良いのかわからない恐怖。
「安全か?」「・・・安全か?」なにそれ、どう答えたら正解なの?…ってか、どっちでも拷問される怖さ。意味がわからない怖さ。歯カリカリするの痛い。チュイーン痛い。助けられたと思ったら、またあの部屋に戻される絶望感。変な汗出てくる。
助けてくれない救急車を描いてからのタクシー、変人呼ばわりしていた隣人の助け。エルザの目的。このあたり、序盤にベーブの日常が丁寧に描かれたために生きてきていると思う。そう思う一方で、ドクとベーブの話がなかなか結びつかない序盤が、映画として良く出来ているとも思えないけど。
ジーンウェイ達の最後がアッサリしていて、ちょっと駆け足感あり。でもユダヤ人街でゼルの正体がバレてからのハラハラ感は手に汗握る良い展開。
最後の「ダイヤを飲み込め」。意外な仕返し方法だけど、このダイヤもともとはユダヤ人の金歯だったから、それをナチに飲み込ませるのは、歯の拷問の仕返しとして、妙な上手さを感じた。