3.《ネタバレ》 ショート・ショートを青春ドラマで仕立てた感じか
生への執着は希薄というわけではないが、人権を知らずに育ち、ただ終了を待つばかりな従順かつ無力な登場人物ばかりなのが哀しい
逃亡するもかなわず帰ってくるとかいうことすらない。人生を勝ち取る戦いを始めたりはしないのだ
最後のあまりにも当たり前で今更それ言う?って感じの「普通の人たちと私たちとの違いがわからない・・・」というモノローグ。
本当に受け身で生きてきて、最後にやっとそういう考え方にたどり着いたんだとしたら、もしかしたらこれから闘争が始まるのかもしれないね
現在ここまで人類は非道ではないと思うので、そのあたり少し昔の年代のIFストーリーという設定を受け容れられるかどうか
あり得そうもないこの世界設定だが、余計なことを考えずに単純に悲しい気分に浸れるかどうか
そういう疑問をやわらげるような緻密さというか、世界観の描写は乏しいといわざるを得ない
出入口に認証装置があって管理されてる風ではあったが、それだけではあまりにチープすぎる
臓器提供による医療の進歩があるならそれで世界はどう変わるのかを作り込む発想もお金もないんだろうか
著名人がいつまでも生きているとか、権力者は死なないために力を奮うその影響とか歪が生まれてしかるべき
残念ながら話の流れで不自然に感じたところもあった
おそらく、誰の目にも「画廊の件、どうしてそういう発想になるの?」と首をかしげること請け合いかと