3.ご存じ、傑作時代劇『切腹(ハラキリ)』のリメイク。
恥ずかしながら、本作を観る前にその情報知らなかったものだから、ストーリー丸分かりで、観ていて少々しんどかった。
何故かって、この作品って、ストーリーがかなり魅力の大半を占めていると私は考えているから。
『切腹』を観ていた時は、先の読めないスリリングな時代劇に、興奮したものだ。
それを考えると、ストーリーと顛末を知っていて、この『一命』を観たことは、自分で言うのも何だが、不幸というか、愚かというか。
市川海老蔵の演技は可もなく不可もなく。
歌舞伎には精通していないので、知った様なことは言えないが、海老蔵の発声方法が、歌舞伎調の様な気がして、映画向きではない気がした。
少なくとも、本作での話だが。
それを食ったのが、満島ひかりの演技。
あまり目立った演技ではなかったが、控え目ながら、実に巧く演じていたように思う。
ところで、最後の雪は余計ではないか??
3D映画だから、とってつけた様に降らせた様な気がしてならない。
どんなジャンルでも器用にこなす三池崇史監督だが、人情劇となると、さすがに不向きでないかと。
三池監督は好きな監督の一人で、今までに20本近く観てきているが、本作のような人情劇主体の映画を撮るには、かなり無理があるような・・・
とは言え、そこはさすがの三池監督。
瑛太の切腹シーンは、かなりの迫力。
あと、満島ひかりが死んだ瑛太の手のトゲを取るシーンとか。
随所に三池監督らしさも出ていて、部分的ではあったけど、楽しめたのは良かった。