1.《ネタバレ》 キャラネタは相変わらずの面白さなのですが、今回はその凝ってみました的な物語の背景設定が「ぼくがかんがえたSF超大作」みたいな中二臭さ炸裂で、ちょっと置いていかれ気味。
クライマックスの泣かせにしても吉田くんが褒めるような総統の人間性っていうのが、実のところこの作品でも過去作でもそういう風には伝わってきてなくって、なんか一方的に送り手側が酔い痴れてません?って感じがしてしまって。
っていうか、今回泣かせを入れ過ぎ。『鷹の爪』で泣かせなんてのはイレギュラーというか、ネタの1つ程度の存在でいいと思うんですけどねぇ。
大体、前半はオキテマス・スマイルとヨルニーがメインだったのに、クライマックスになると完全に鷹の爪団に話が移って、ヨルニーなんて最終的に何処へ行っちゃったのやら、って状態で。
これまでの作品にあった時代を反映するネタが減り、凝った設定と鷹の爪団(特に総統)への過剰な思い入れがどうも間口の狭い作品にしてしまった感があって、一方でバジェットゲージの存在は映画を引っ張るためのマンネリな手段と化し、ここに来て『鷹の爪』も曲がり角に来たのかな、って感じがします。
やっすいフラッシュアニメだからこそできる事、そこを見失ってゆくと存在の意味がなくなってしまうと思います。こういう物語自体はもっと上手く作れる人が幾らでもいるのですから。