6.《ネタバレ》 最後のシーンで昔を思い出し少し胸熱になったので 5点
原作が湊かなえなので仕方ないが物語は淡々と進んでゆく。映像を見るものと登場人物の間に一体感は生まれない。
それは原作者の作風だから仕方ないかも知れない。ただ、想像と噂話による決めつけが物語の進行を支配し、最後
の方まで真犯人がわからない仕掛けはさすが湊かなえだと思った。
しかしながら、犯人狩野里沙子(蓮佛美沙子)の動機は弱いと思う。三木典子(菜々緒)を恨みめった刺しの殺人
をやるには弱い。城野美姫が証言すれば直ぐにバレてしまうし、いくら嘘の噂を流しても無駄なことくらい想像でき
そうなもんだが。蓋を開けてゲンナリのパターン。ただ人間が空気に流される生き物であり、真偽不明な情報に
いとも簡単にのせられ過去をも無意識に書き換えてしまうことは肝に念じておきたい。
最後に城野美姫と谷村夕子(貫地谷しおり)のシーンは「赤毛のアン」のロウソクを使って合図を送るシーンと
シンクロして泣きそうになった。湊かなえさんからの警鐘なのだと受け取った。