2.《ネタバレ》 1972年製作ということで、マカロニウエスタンのブームの火が消えようとしていた頃の作品。
リー・ヴァン・クリーフもなかなか銃を抜かず、マカロニにしては展開も地味。
クリーフも全盛期と比べるとちょっと年齢を感じさせ、そんな時代背景を感じさせる空気が漂う作品です。
何者かに駅馬車が襲われる冒頭のアクションがなかなかいい。
しかしのどが渇いたと駅馬車を降り、酒場に向かってゆっくりと歩を進める、眼光鋭くスマートな装いのクリーフ。
まあ、いつも通りのクリーフです。シブいです。
そこら中から銃を構え狙われているのに、クリーフは銃も構えず物陰に隠れるわけでもなく悠然と歩を進める。
敵は撃とうと思えばいつでも撃てる状況ですが誰も撃たない。
そりゃそうだ、あのリー・ヴァン・クリーフを撃てるわけがないよな、と妙な説得力がある冒頭。
過去の事件で濡れ衣を着せられた若者が、真犯人の悪徳兄弟に復讐を果たすというストーリーが軸になっており、
クリーフはその若者に手を貸すという立ち位置にいるので終盤の決闘までこんな感じの空気が流れますが、
あくまでも作品の中心にいるのはクリーフ。その存在感の大きさを見せつける作品です。