4.地図マニアの設定であるとか、加湿器の白い蒸気とか。
何かの伏線かというような思わせぶりな配置が、結果的には
何らドラマに寄与しないのに拍子抜けする。
友人たちとの入浴などにしても、スポンサー絡みかどうか知らないが、
映画的に面白い寄道なら余興として大歓迎だが、間延びさせるだけの無駄なら要らない。
ひたすら顔を強ばらせ、眼力で演技せざるを得ない藤原竜也は、
文字通り力演ではあっても、映画の面白さにはならない。
その力に操られての黒沢清的「人体落下」が動きのモチーフとなる。
スペクタクルとなるべきクライマックスの劇場での群衆シーンが
単なる烏合の衆であり、緊張が持続しないのも残念なところ。
物量が単なる物量でしかなく、逆にサスペンスを削いでしまっている。