2.邦題の印象から勝手に韓国映画だとばかり思って観始めたが、中国映画だった。
似たようなプロットの韓国映画もあったように思うが、国が違うとこうも映画の空気感というものは異なってくるものかと痛感した。まあ至極当たり前のことなのだが。
そして、残念ながら、個人的にはこの映画に対してとても居心地の悪さを感じてしまい、面白味を感じるまでに至らなかった。
退屈、淡白、ありきたり、否定をするための幾つかの形容が頭をめぐるが、どれもうまく当てはまらない。
寒々しい空虚感が全編通して満ちている。
湯気が立ち上る料理も、白日に打ち上がる花火も、超絶にダサいエンディング曲も、すべてが寒々しい。
勿論、それこそがこの映画のテーマであり、存在意義だとは思う。
ただし、その寒々しさを受け入れられるかどうかで、この映画への価値観は変容するのだと思う。
それを受け入れられなかった者は、この映画が醸し出す寒さと冷たさと空虚さと不潔さに只々苦しめられる。
主人公をはじめ登場人物たちにも一切感情移入をすることができず、困惑する。
そして、一刻も早くこの映画世界から抜け出したくなる。
“面白くなかった”ので、評価はできない。けれど、この独特な中国映画の存在意義は認めざるをえない。