1.《ネタバレ》 記憶を他者に転写して死滅する体からの自由になる。不死を得る方法としては既視感があります。私が過去に見た創作物では魔術のような神秘的手法に頼ったものがほとんどだったけど、本作は純粋に科学によってそれ成していました。そんな技術が確立されたら商売にする輩が現れる訳だけど、倫理面が未解決なので闇マーケットの話になる。生死に関わることなので莫大な金額が動く。本作はそのあたりを上手にサスペンスにしていました。
死にたくない。しかし、自分と無関係の者を犠牲にして良いのか? 主人公はその辺りに常識的な判断が出来る人でした。自身の意識を殺すことにはかなりの葛藤があったはずだけど、そこは映画的にサラッと時間を飛ばして表現していました。無難にまとめたと云う意見です。
監督のターセム・シンは絵作りに特異な才能を持っている方と評価していましたが、前作あたりからそれが希薄になり、本作ではフツーの人になってしまったと思いました。その意味では期待した映画では無かったです。