4.《ネタバレ》 自分は少し興味があってカウンセリングを学んだんだが、ロジャース(カウンセリングの分野にも神様扱いのロジャースさんがいますが、別人。)さんが記者に対する態度、姿勢が見事に理想的な来談者中心話法になっていて非常に参考になりました。どんな事があっても相手を否定しないその姿勢には感心します。この姿勢があったので記者も最後には心を開きますが、自分としては一切否定しないこのやり方は成人相手限定で、子供に適用すると副作用が大きいと思います。成人なら一応の社会規範を習得していますが、いまだ習得していない子供に全肯定的な態度で接すると社会規範を習得できなくなると考えるからです。
さて、キリスト教的文化圏での人格者は自己の感情を上手くコントロールすることが必要のようです。トムさん演じるロジャース氏は時々優しい笑顔の裏側に感情が見え隠れします。そう演じているんでしょう。最後にピアノの低音部を叩いたりしますから。しかし、仏教的な人格者は多分、そんな感情をコントロールしないでしょうね。「心のままに振舞えどその則を超えず」心自体を修行によって変えることが求められると思います。
ということで、なんかちょっとこのロジャースさんは好きではありませんが、こんな人がヒーローになるというアメリカ社会の現状というものが面白いです。