2.この監督は「…もどき」という世界をピョンピョンと渡っているみたいで、「もどき」でない世界をいいかげん見せてもらいたい気がする(と封切り当時のノート)。これはアジア映画的というか、日活無国籍アクションもどき。でも主人公はウロチョロしてるだけで、事件との絡みが稀薄。そもそも「事件」に明確な輪郭がないのが、こういう話としては致命的。楊海平の顔はとってもいいんだけど。せっかくモノクロ・シネマスコープという活劇黄金期の枠を選択したのに、それがあんまり生きてない。痛快さがないの。陰気に指切り落としたりして、ジメジメして。