23.《ネタバレ》 途中から筋が読めなくなるほど複雑に。なのに最後のオチは読めてしまう不思議な作品。
つまりは、わかりにくいくせに驚けない、残念な結果に。
『次の展開がわからない。』という点では合格ライン。ミステリーとしての体裁は保っています。
ですが、結局わからない部分が多く残ったのは不満です。
各設問に、あっと驚く解答が用意されているからこそ、知的カタルシスを得られると思うのです。この作品は、その部分が不親切。
デジコープ社の目的。キャラウェイ社の目的。はっきり言ってよくわかりません。
私がかろうじてわかったのは、主人公はモーガン・サリバンでもなければ、ジャック・サースビーでもないということ。
彼の正体は、正体不明のフリーのスパイ、ルークス。
そして、盗んだデータの中に、『リタ・フォスター殺害』みたいなものがあって、そのデータを盗み抹消することが彼の目的だったということ。それくらいでしょうか。
言うなれば、三重スパイの物語。
にしても、企業間の産業スパイの話で、やれ殺人やら、やれ洗脳やら、なかなか物騒。
ラストはビルごとドカンって。あまりに非現実的すぎて、ついていけません。
非現実的な空間で、映画そのものがふわふわ宙に浮いている感じ。
具体性がなく、抽象的すぎます。
鑑賞中、地に足がつかない気持ち悪さが、ずっと『未来世紀ブラジル』を連想させていました。
個人的には『ナシ』な作品です。