2.《ネタバレ》 自分も、邦題にツッコミを入れようと思いましたが、中身の方に集中させていただくとして・・・この映画のストーリーの肝は、主演二人がそれぞれに文通相手がいて、目の前の同僚なんかとは比較対象にもならないほどの立派なお人という時点で、お互いの文通相手がこの常にいがみ合っている相手同士なんだろうなということが予測できないわけがない訳で、序盤は映画を観ている我々が、そして中盤以降はクラリックとその同僚を加えた人々が真相を知らないクララの行動を傍目から観察して楽しむという構図でしょう。
見終わって、それをラスト近くまで如何に引っ張れていたかを考えてみると、シガレットケースのネタも面白いとは思えませんでしたし、脇を固める店員たちも影の薄かった男が社長夫人との不倫関係にあったりといった中途半端な個性の持たせ方でしたし、クラリックが店主になってから不倫相手だった歳上の店員を解雇するくだりも社長のやり方と対比させる意味がわからないですし、やはり何よりも女性がまくし立てる場面が多すぎたのが大幅減点の材料で、映画の大半をクララが一喜一憂する姿を見て楽しむのに費やすのはちょっと無理があったように思えました。
序盤の、重曹を二人続けて買って来てもらって飲むシークエンスもいまいちでしたし、最後のO脚かどうかというのも、映画を締めるネタとしてはクオリティに欠けていたと思います。