1.《ネタバレ》 自分の中でクリスチャン・ジャックと言えば、ソードアクションなどの剣術活劇なので、これがほとんどないのが痛かった。
決闘シーンと川を泳いで逃げるシーンでアクションっぽい感じはありましたが、やはり物足りなさは残りました。
この映画は上映時間が約3時間と、いかにも大作という構えでいるにもかかわらず、国の名誉がかかるような一大叙事詩という雰囲気でもなく、また男女二人の壮絶なラブストーリーとかいう感じでもないため(途中で旅芸人の女に手を出したりと、浮気な一面を見せたりする)、やはりスケールの小ささは否めず、またストーリーの中で、彼が投獄されるのも、また仲間が彼の脱獄を手助けするのも、よく考えるとみんな私的な理由故のものなので、いまいち物語に引き込まれることもないままで観ていたような気がしました。
会話の中で、ここぞという時にカメラを傾けた斜めショットが幾度となく出てきたのが気になってしまったのと、序盤で人物の周りをぐるっと回るように撮っていたことが多かったので“円”がこの映画の隠れたテーマや伏線なのかと推測してみたものの、特に意味はなかったようでした。
ルネ・フォール扮するクレリアが序盤からもう少し存在感が出るようなストーリー構成であればだいぶ良くなったと思うだけに、ここは原作(未読ですが;)の枠を越えてメインのヒロインのキャラをしっかりと確立させて描いてほしかったと思いました。