2.これは評価をするのが難しい作品かなぁ。
なんといっても、見所は往年の名女優、杉村春子が主演をはり、しかも遺作であるところ。
そういう凄いキャリアをもった女優さんなんだ、という認識がないと、ただ単にダラダラと老女同士がしゃべくる映画に感じてしまうことだろう。
でも、本作における杉村春子と乙羽信子の会話って、どうも大したことがない。
何だか、本当にその辺のおばあちゃん女優がしゃべっているかのようだ。
ピークを越した往年の名俳優って、歳をとったらこんなもんなのかな・・・と思ったら、杉村春子、なんと本作の時には90近かったのか!と驚いた。
その歳で主役をはること、それ自体が既に凄いし、伝説の女優の姿を21世紀近くに拝めるわけだから、本作の功績と監督である新藤兼人のチャレンジ精神は特筆すべきだ。