1.本作は私にとって記録映画というよりアルバムでした。40年前の自分をドキドキしながら捜すような興奮と感慨がありました。間違いなく日本が過去に経験した最大の「お祭り」がこれだと思います。歳をばらしますが、当時8歳。小学校の2年生でした。そしてこの万博の会場となった大阪府吹田市に住んでいました。その幸運で何度も会場へ行けたことは、今となっては記憶の財産です。交通機関がストをやった日は小学校が休校で、そんな日は親も会社が休みで、チャンスとばかりに会場へ行くと、通常なら3~4時間並ぶのが当たり前だったアメリカ館も三菱未来館も並ばずに入れました。ちなみにその日、お祭り広場の大屋根で外国人と一緒にいたおじさんを指して、母親がサインを貰って来いと言いました。太陽の塔を見ながら喋っているそのおじさんにサイン帖を差し出すと「仕方がないねえ」と言われたことを覚えています。サイン帳には「岡本太郎」と書かれていました。本作を観ていると、本編中に映る小学生は全員が自分に見えました。何気ない会場の風景を映されるだけで子供の自分が様々に去来する。幼年期の記憶とダイレクトに繋がっている映像って強いです。いや、これは全くレビューになっていない。すみません。