2.《ネタバレ》 退屈な映画。主人公が終始暗い顔をしてうつむいていて魅力に乏しい。何でいつもそんなに元気ないのと聞きたいくらい。これといった活躍をするわけでもなく、事件を割り出すにしても偶然に頼りすぎる。どうにもこうにもテンポが悪いのだ。謎の解明が中途半端で、鑑賞後不消化の部分が残る。ぱくり詐欺から殺人事件へ、謎の大物の登場と引き込まれる要素が続出するのに、それをうまく料理できていない。そういえば「眼の壁」という題名の意味も不明のまま。とても残念な作品です。
◆まずパクリ詐欺がよく分らない。手形をだまし取られたわけだが、警察に届ければ誰がどこの金融機関で現金化したかわかるはず。世間の目を気にして警察に届けないのは納得できない。警察に相談すれば、は秘密裡に動いてくれるはずである。また会社にとって非常に重要な三千万円という設定ではなかったか。あれがないと給与が払えないといっていたが。②弁護士の態度がおかしい。弁護士は単独でパクリ詐欺を追っていたようだが、どうして会社にあんなに非協力的なのか。又どうして単独でパクリ詐欺を追っていたのか?③詐欺男を紹介した女がわかっているのだから、その女と会社を追及すればよい。
◆黒幕である船坂は最後硫酸の中に飛び込んだ。しかしどういう理由で警察が追ってきたのか。逮捕する理由も証拠も無い筈である。いきなり撃ち合いになって終りとは無粋な展開である。
◆バーテンダーはどのような役割をしていたのか。いつ殺されたのか。「硫酸に漬けて溶かしたら三か月前の死体に見える」なんて馬鹿馬鹿しいにもほどがある。1958年の法医学はもっと進んでいる。弁護士の死体にしても土中に隠せば良いじゃないか。殺人事件になれば警察は動きますよ。
◆マダムはどのような役割をしてたの?船坂の女ではなかったのか?若い女の役割は?政治家はどう関わっていたのか?船坂グループの犯罪の全容が分らないじゃないか。
◆劇中TVに長嶋が登場してびっくり。入団した年の映画に早くも登場とは、人気があったことの証明ですね。