7.《ネタバレ》 この手のゾンビ映画がこのころ多く作られた…らしい。こないだイギリスの「エスケイプ・フロム・デッド」とかいう2006年のやつを見ましたが、TV取材陣が農場に出かけたらゾンビが…という手ブレドキュメンタリ風のやつで似てますが年代的にはそっちが先だ。
そして、今度巨匠の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」が放映されるので楽しみにしているがそれだって「手ブレドキュメンタリー風」ということなので…なんだかなあ。
基本的に手ブレ映像が苦手ですので、私は固定カメラでちゃんと撮られた映像を愛します。ので、我も我もと手ブレに走る傾向は嬉しくないです。困る。
さて、「2」もできたほどヒットしたらしいこの作品、個人的には英の「エスケイプ…」よりは数段マシと思うがそんなにホメる気もしない。
アンヘラ役の若手女優の演技…いくらゾンビ映画とはいえ主役なんだから、もうちっとマシな演技力のある女優を使わないと~。素人とはいえ「ブレアウィッチプロジェクト」の女優でさえ、もっとリアルでしたよね。なんか、「はねとび」などのコントを見ているような、そういうレベルに見えました。主役女優があまりにも大根なために、映画としてのレベルもかなり下がっちゃってます。
それから、脚本があんまり良くない(ドラマ性に欠ける)うえに見せ方の工夫もいまいちなので、「ゾンビ映画を見慣れていない」観客はどっきりするでしょうが、ゾンビ擦れした客にとって、驚きと感動のあるものでは到底ありません。
ゾンビ映画に不可欠な要素それは「ドラマ」であります。ゾンビ失敗作はみんなこのことを軽視している。「ああ~、あそこで○○さえしなければ」とか「○○さえうまくいっていればこんなことには」とか、観客が心の底から唸ることそれが「ドラマ」であって、ゾンビ映画にこれがうまくハマれば巨匠の「ドーン・オブ・ザ・デッド」のようなスーパードラマティックゾンビムービーが成立する。
この作品には、そういうものは、特に、無いですね。
あと、妙に「謎解き」に走ってしまったのも良くなかった。そんなもんが最後の最後に突然判明するなんてことあるわけないでしょう。「ドキュメンタリー風」ならば絶対にやっちゃいけない間違いだと思います。リアリティをなんだと思っているのだ。あんなタネ明かしをわざわざ入れたいならば、ドキュメンタリー方式にしないでフツーに撮ればいいんですよ。