1.《ネタバレ》 ロベール・ブレッソンの貴重極まりない作品を、やっとこさ鑑賞することができた。
しかし、貴重ということは、それだけ評価されていないという見方もできるわけで、残念ながら、本作もロベール・ブレッソン作品の中では、それほど出来がいいとは言えなかった。
うだつの上がらない主人公の男は、ある晩、ある女と出会う。
この女は、付き合っている彼氏とうまくいっていない。
そこで、男はその女性の相談相手となる。
これが悲劇の始まり。
私自身も、若かりし頃、経験があるが、とかく彼氏とうまくいっていない女性って、近くにいる相談しやすそうな男に頼ったりする。
つまり、相談にのってくれそうな男に一時的にすがる。
それが、この映画の主人公で、「自分を頼ってくれている」、「自分のことを異性として好んでくれている」と、勘違いしてしまう。
だが、その女性が彼氏とよりを戻すと、とたんに相談相手だった男友達など用無しになってしまう。
そして、アッサリと関係を切られてしまう。
自分にもそういった苦い経験があるだけに、非常にリアルなものを感じた。
リアルさという点では、さすがロベール・ブレッソンと言いたいところだが、話の内容が薄っぺら過ぎる。
相談にのった男が、ただ失望し、茫然するばかりという締めくくりだ。
まあ、これはこれでリアルだから、アリと言えばアリだが・・・
どうにも救いようの無い話だ。