2.《ネタバレ》 アメリカ映画にしては、珍しくすっきりしないバッドエンディング。この悶々とした気分。コンパクトでさっさと見れるのは良いが、ストーリーがボリュームに欠け起承転結の巧みさはない。ただ、人間ドラマを描きたかったのだろう。善意が、自分の首を絞め、それが拡大して愛する人を放置したり殺したりしてしまう展開はまさしく切ない。人間の善は、層となった精神構造の中で下層部分が満たされて初めて成り立つある種の「余裕」からもたらされるものだというのを認識させられる。そういう人間ドラマの根幹は、とても真面目に描かれているとは思うのだが、それに対して「疫病」の危険性の描き方のなんたるいい加減なことか。ガムテープとビニールで車内をとりあえず隔離しているのに、その隔離してる相手と共に行動してるじゃないか。マスクを取ったり外したりして、それじゃなんの意味があるのかと思ってしまう。全体としては、低予算でも真面目に作ってそれなりに好感は持てるが、疫病の描き方なりストーリーの構成なりにいいろと不満をもったのも事実である。