2.《ネタバレ》 “殺すつもりならとっくに殺している”は常人の発想。脱出の希望を抱かせた挙句、あえなく餓死という最悪のシナリオも有り得たので、この結末ならハッピーエンドと言っていいのでしょう。本作で描かれている脱出ゲームもどきの拉致監禁は、中盤で主人公が口走った『異星人による実験』の可能性が高いと思われます。2人が目にした外の世界は、とても“この世のもの”とは思えぬ光景でした。さて、宇宙人はどういった意図で2人を誘拐し、またどのような実験を試みたのでしょう。説明は一切なく観客が想像を働かせるしか術はないのですが、おそらく極限状態における人間の生態観察が目的といったところでしょうか。殺し合いではなく、“共生”を選んだから彼らは解放されたのだと感じます。力を合わせて穴を掘る行為、子孫を残すための協力…。脱出劇としてもミステリーとしても面白味はありませんが、人種も違う、言葉も通じぬ“異性人”2人が、共に手を携える姿に、見るべき部分はあったと思います。最後に宇宙人へ文句を。鍵の場所が分かり難過ぎです。あれで気付けという方が無理。ほとんどの人間が、次のステップに進めませんよ。それに水くらい用意しておきましょう。水を摂取しなければ気力を奪う以前に、体力が削がれ行動が制限されてしまいます。『HUNGER』(2009・アメリカ)映画を観て、勉強するように。ていうか、二度とこんな実験はするなよ!