2.いかにも善良な母・宮崎美子に、いかにも生真面目な父・津嘉山正種。
キャラクターイメージそのままのキャスティングも芝居もステレオタイプにすぎる。
京野ことみを始めとする同窓メンバーのいわゆる熱演も何ともクサく、
手持ちや自然光照明のドキュメンタリー調と馴染んではいない。
安藤サクラと井浦新の対話もまた熱演なのでああろうし、
役柄になりきらせる演出として恐らくアドリブを多々入れているのだろうが
作り手の過剰な思い入ればかりが突出し、芝居は読みやすい。
一方で、詰め寄る安藤に対してどんなリアクションで返してくるのか、
全く読めないヤン・イクチュンのどこか非心理的な佇まいと
静かな迫力こそが抜きんでている。