1.《ネタバレ》 石井隆ワールド全開。
拉致監禁で虐待された間宮夕貴の傷だらけになった体が生々しい。
グラドル出身ながら難しい役も体当たりで熱演。
それに対して、壇蜜はいつもの壇蜜。
こういうキャラにも新鮮さがなくなってエロくも感じないし、それをカバーする演技力があるわけでもない。
壇蜜よりも間宮のほうが存在感、インパクトがあった。
間宮は壇蜜の少女時代の設定だけれど、二人は容姿も声も雰囲気もまったく似ていないので違和感がある。
陵辱された女子高生と、SM嬢の顔を持つ女医が一向につながってこない。
犯人を殺した時に味わった甘い味。
それを確かめるためにSMの世界に走った主人公。
狂気が暴走する惨劇となるが、その性癖が現実離れしすぎてピンとこない。
もともとあった特殊な性癖に目覚めたのか、それとも凄惨な状況の中で精神を保つために快感を見出したのか。
高校生の自分を殺すのを止めた手は誰なのか、はっきり描かれてはいないのでスッキリしない。
正気を保ったもう一人の自分が狂気の自分を止めたということか。
監禁男はどこかで見たようなありがちなキャラだが、真に迫った緊張感が二人の間にあった。
でも、SM倶楽部は皆が大真面目に演じるほどに何だか間が抜けていて笑ってしまう。
上手くもないナレーションの多用も耳障り。