1.巨匠コッポラの若き日の作品。後の彼の作品からは想像もつかない低予算の香り漂う作品です。
日常から逃げ出すように家出したシャーリー・ナイト演じる主人公の女の放浪の旅を描くロードムービーですが、
コッポラをはじめ本作の撮影に関わった者たちも一緒にアメリカ中を旅しながら撮影していったという。
度々挿入される旅するクルマの車窓に流れる風景のとらえ方など、確かにそんな雰囲気を感じることができる作品です。
登場する誰にも共感できない。どこへ行ったらいいのか分からない、本作の登場人物たち。
コッポラ自身もまた、映画の世界の中で、どういう方向性を目指すのかまだ迷える頃だったのかな。
しかしコッポラとジェームズ・カーン、ロバート・デュバルの出会いをもたらしたという意味では貴重な作品なのかもしれません。
本作の数年後にはあの「ゴッドファーザー」を世に送り出すことになるのですから。