2.《ネタバレ》 私は戦争映画があまり好きではないので点数は辛口かもしれません。
戦闘の生々しい描写はリアリティが溢れていてそれでいてグロと呼ぶほど凄惨な描写をしていないので
程よい緊張感を得ながら楽しめました。
ただ気になったのが主人公の宗教的信念が表面的にしか描かれておらず、聖書でさえ小道具扱いでは彼の信仰の
部分がよくわからず、事実を元にしているだけあって淡々と英雄的行動が描かれているのに違和感を覚えました。
にやにや笑いにはどういう意味があったのかわかりませんし、上官達は理想的な上司像を反映しすぎているような気もします。
他の戦争ものでもそうですが、米軍礼讃のプロパガンダ的な色が強くありませんか?
彼が従軍する理由も模範解答みたいで面白味も説得力もありません。
また彼の戦闘中の行為とその結果は称賛されてしかるものと思いますが、信念は褒めてはならないもののように思えます。
極端なことを言えば、彼と同じ思想を持つものが多ければ軍隊は成立しないわけですしね。
最後にドキュメンタリー風のムービーを流してくるのも興ざめでした。
小説でいえば読後の余韻を楽しむ前にあとがきで現実に引き戻されるような気持ちです。