1.《ネタバレ》 過去に何らかの不祥事?を犯したらしく現場に出ることを一定期間禁じられた熱血刑事と思しき人物が110番コールセンターで業務をこなす中、怪しげな女性からの通報に異常をかぎつけて事件解決に向けた対応を行っていくという話ですが、場面転換が一切なく、コールセンター内の映像と電話の音声のみでストーリーが進んでいく映画です。音声を追っていくだけとはいえ、手に汗を握るような展開がずっと続き、飽きることなく最後まで鑑賞できた点は非常に評価できるのですが、そもそもこれって映画としてみたときにどうなの?という思いも同時に生まれてくるのが正直なところです。
映像情報は非常に限定的で、音声だけなので鑑賞者の想像力により補完される余地が大きく、(映像を具現化するという)映画という作品ジャンルの特徴・魅力を活かしきれていない印象になってしまいます。確かに今回は音声のみで進行するがために、重要な要素などもうまく隠したまま進行できますし、常に主人公目線なのでストーリーの進行もシンプルにできるメリットは大きいと思いますが、だからこそ、映像シーンをちりばめながら同様のサスペンス要素をうまく表現する、という「他の作品ではみんな苦心しながらやっていること」を放棄しているとみなすこともでき、私としてはちょっと高い評価にしにくい作品だなと思いました。
ここまでのレビューで軒並み高評価なので私の考え方が間違っているのかもしれませんが、個人的な意見としては、映画として評価するなら5点という形にさせていただこうと思います。