2.マーティン・スコセッシ、レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、この三人の座組もいい加減見飽きてしまい新鮮味がないですね。演技も終始顰めっ面をしているだけでワンパターンです。レオナルド・ディカプリオについては中年太りもひどいですし、いい加減ハンサムで女を魅了できる人物を演じられる年齢じゃないって気づいてほしいです。史実ではアーネスト・バークハートはモリーと結婚した時にはまだ20代みたいです、どうりで違和感があります。一方モリー役の女優リリー・グラッドストーンは落ち着いてリラックスした演技をしており良かったと思いますので、惰性ではない新機軸のキャスティングがもう少し欲しかったところです。内容は歴史劇や犯罪ドラマというより夫婦の物語が中心になっていますね。インディアン側の主要人物が女性、白人側は男性という風に分かれていることもあり人種間の対立というより家庭内の不和のような狭い領域の問題に感じてしまいます。そのため上映時間が長い割にずいぶん地味でスケールが小さいと思ってしまいました。尺が長いのは単に情報が整理できていないだけではないでしょうか。この映画で描かれた史実の面白いところって白人が常にインディアンより優位な立場にあるわけではないという視点を与えてくれることにあると思います。モリーがアーネストと最初に夕食を共にするシーン、そしてラストの二人の会話は緊張感があって良いです。この二つのシーンでは白人よりインディアンの方が優位に立っているからです。しかしアーネストとモリーが結婚していざ事件が起きていくと完全に白人側が優位になってしまい、インディアンは脅えるだけで物語も白人側にイニシアチブが移ってしまうので退屈なのです。