3.《ネタバレ》 少女と中年の警官の恋愛が退廃的なトーンで描かれる。
フランス映画に見られるようなテイストで、音楽にもフランス音楽が使われているので意図的だろう。
陽子役の新人小沢まゆは、さすがに中学生ほど幼く見えないが少女には見える。
奥田瑛二も危ないエロ中年の匂いが出ていて好演。
半身の鳥の刺青の入ったエロ警官、警官をSEXに誘う中学生、交尾中の犬に拳銃をぶっ放す兄、孫の裸を盗み見る彫り師、ラリって車で事故死する男…。
どこかネジの外れた危なっかしい人間ばかり出てくるのは、奥田ワールドなのか。
孫娘の綺麗な肌に刺青を彫ろうと説得する爺さんの論理がぶっ飛んでいる。
陽子と母が同じ男を巡って醜く争うは、父が首を吊った煙突から兄が飛び降りるは、もうドロドロのメチャクチャ。
そんな崩壊した家庭の中で、陽子の男への思いは一途。
男と対になる半身の鳥の刺青を掘って、二人で羽ばたくことを夢見る。
背中一面に彫り物を施されるシーンは、なかなか印象的。
ただ、主人公の警官がどうしても好きになれないので、作品の評価もそのぶん下がってしまう。