6.《ネタバレ》 昔、友人と「誰もが知っていながら、実際にその作品を観たことが無いキャラクターの筆頭じゃね?」なんて話していた大魔神。
腕を顔の前に通すとハニワ顔から憤怒の顔に変わることも有名だろう。
映画は序盤からサクサクと無駄なく進み、ベタとも言えるほどの分かり易い話が少々強引に展開されていく。
うん、映画としてはとっても見易い。
……が、しかし。『大魔神』が、キャラとしてこれほど有名でありながら、ゴジラのような名作になれなかった理由が程なく判る。
それは…………、出て来ないんだよ、大魔神が!www
主人公である兄妹や家来の小源太たちが、謀反を起こした裏切り者に追われてさんざん苦汁を舐める臥薪嘗胆ぶりが1時間以上続き、彼らが反撃にしくじり、悪者一味が山神様の破壊を試みる時点で約70分。大魔神の登場はラスト15分のみ。
しかも魔神は一回怒ったら見境付かなくなっちゃって、悪者一味はおろか村人たちまで手に掛けようとする、寺内貫太郎も真っ青の大暴れ。
さらに言えば、その大暴れも、基本的には怪獣映画じゃ無いから対抗勢力も無く、ただただ手が付けられない怒り狂った魔神が大暴れして無双するだけの展開。
最後はようやく高田美和の涙で鎮まるが、鎮まったら鎮まったでガサガサと土になって崩れて唐突にお終い。
最後にもう少し兄妹の〆の言葉でもあれば、作品として綺麗にまとめることもできたろうに……。