2.《ネタバレ》 そんなに悪い映画ではないと思いますよ。
原作の「藪の中」にほぼ忠実ですし。
「羅生門」は、羅生門と藪の中を足したおいしい映画ですから、
これと比べるのはかわいそうです。
ただ、ソフィーの世界を映画で見たようなつまらなさはある。
藪の中にほぼ忠実に作ってあるので、小説に挿絵をつけたような、
硬いつまらない演出になっている。もちろんあとから作られたものもある。
それが、前半と後半。これがつまらないのが大失敗の原因のひとつ。
藪の中の真実をあのラストに解釈するのはわかる。
けどその演出がまぬけ。そこさえ生きてくればよい映画になったかも。
事務的というか、実はこうでしたと言われても、天海さんが・・
ふたりの男優より天海さんさえ切れてめだってくれれば、
そのラストも生きる。こういう妖艶な役は毒がなければ・・
個人的に田中裕子(天城越えのときの)がいいなあ。
やっぱり羅生門のほうがイタコ出しで勝ち。(原作と比べての問題です)
それが比べれないわけです。同じことをしたくないなら、
原作どうりに謎のままラストにしたほうがよかったのでは。
低評価の中わりとまともな点をつけちゃったのは、
見てる途中すごく嫌な気持ちになった(ここ重要)
金城さんは確かに日本語変ですが、表情に共感でき一緒に嫌な気持ちを
味わえました。へんかなぁ・・それはたぶんこの変な映画の中で、
唯一フツーの人だったからか。・・フツーというのもなんなんですが。
豊川さんは濃い・・主役を誰に持ってくるかですね。
どう見ても天海さん中心なので、その不足が大きすぎる。
ふたりの男の気持ちはわかるのに、肝心な女の気持ちがわからない。
でもまた小説とか読みたくなりました。ラストの解釈はこれでいいのか・・??