1.。『裸の島』は昭和35年の作品で、モスクワ国際映画祭でグランプリを受賞している。瀬戸内の小さな島で、畑仕事をして暮らす一家の物語だ。夫婦と子供ふたりの貧しい生活だ。島には水がない。だから夫婦は朝まだ夜が明け切らぬうちから小舟で近くの島に渡り、桶に水をくんで島に戻ってくる。天秤棒で桶をかつぎ、小さな島の斜面に作られた小さな畑に水を運び上げる。桶から柄杓で水をすくい上げ、乾ききった畑の土に少しずつ少しずつ、まんべんなく水を撒いていく。そうやって膨大な手間をかけて採れるのは、小さな痩せ芋がわずかばかり。冬には畑に麦を蒔き、春にはそれを刈り入れる。そんな島での春夏秋冬を、一切の台詞を廃して描いた実験的な作品だ。といわれるこの作品 このロケ地を訪ねる会がこの夏 開かれるそうだ。検索エンジンで「裸の島 プロジェクトS」を検索してみよう。印象深いひと夏を過せるかも?